|
世界特許の電子瞬間湯沸器の独占輸入販売で急成長 |
地球温暖化防止のための二酸化炭素の排出量削減が強く求められ、これからの企業活動において“省エネ”は避けて通れない課題となっているが、大分市に世界特許をもつユニークな省エネ機器を独占輸入販売して急成長しているベンチャー企業がある。 燃料エネルギーを一切使用せず、ボイラーや貯湯タンク等の設置・配管工事も不要で、瞬間的にお湯が得られる電子瞬間湯沸器等の販売及び設計施工を行っている『(有)日本建装工業』がそれで、最近は工場ばかりではなくホテルやマンションでも採用されるなど販路を広げており、大きく飛躍しようとしている。 |
●倍々ゲームで売上高を増伸 |
(有)日本建装工業の設立は平成6年7月。外語大を卒業後、機械メーカーの米国勤務を経て、科学技術工学英語の翻訳や学習塾経営をしていた池邊和壽社長が、米商務省発行のコマーシャル・ニュース等で知った電子瞬間湯沸器「エマックス」のユニークさに惹かれ、「問い合わせると、日本にはまだ代理店がなかったので、とにかくやってみようかという軽い気持ちで独占販売契約を結んで始めた」(池邊社長)というベンチャー企業だ。
現在の取扱商品は「エマックス」のほか、電子蒸気発生器「スチームゼネレーター」、蛇口に取り付ける自動コントロール節水金具アダプター「メディア・フロー」などで、いずれも米国メーカーが国際特許を持つ省エネ製品ばかりだ。
創業の契機となったエマックスは米国エマックス社(コネティカット州)とGE社の最新テクノロジーから生まれた電子瞬間湯沸器で、耐熱放射材やファインセラミックスを採用した内蔵特殊ヒーターを通すだけで38〜80℃のお湯を瞬間的に給湯するというもの。灯油・ガス等の燃料エネルギーを使用せず、またボイラーや貯湯タンク等の設置や配管工事も一切不要で、給湯時のみ電源が入るようになっているためにランニングコストが安く省エネ効果が期待できるほか、どこにでも簡単に取り付けられるコンパクト設計という利点があり、その用途先は洗面・台所・浴室・厨房・工業用等幅広く、省エネ効果ばかりでなく安全性の面からみても病院や老人ホーム等にも最適の機器である。
既に清水建設や大日本印刷、久光製薬、オリンパス、プリマハム、JR東日本、富士通、日本原子力発電など大企業を中心に4,000台以上を納入しているが、「最近はマンションやホテルでも採用されているのを始め、いつの間にか、極東地域の総代理店の形となっており、シンガポールや中国、韓国からも引き合いがあり、ここ2〜3年はほぼ倍々で売上高が伸びている」という注目の商品である。 |
●自社製品の開発にも挑む |
しかし、池邊社長によると、「当初は設計会社や建設会社に持ち込んでも全く相手にされず、本当に苦労した」そうだ。新規創業に共通する販路が大きな壁となったのだ。 このため、池邊社長は「エマックスの素晴らしさを知ってもらうには実際に見てもらうしかない」と考え、全国各地の省エネ展等に積極的に出品、「展示実演することで、そのユニークさと素晴らしさを訴えながら徐々に販路を拡大していった」という。会場の小間を借りるだけでも当時としては大きな金額で、当然資金の持ち出しばかりだったそうだが、「展示会では必ずいくつかが売れたこともあって、何とか持ちこたえられた」と苦笑するように、地道な販促努力が最近の好調な販売を支える大きな要因となっている。
今、同社は単なる商品仲介の域にとどまらず、自社製品の開発にも挑んでいる。エマックスを組み込んだ湯発生装置「アトムズ(商品名)」がそれで、約60cm四方のコンパクト仕様で、30〜70℃まで自動調整することができる画期的な装置だ。同社はアトムズをホテルや病院に最適のシステムとして位置づけており、既に長崎及び山口県で近く着工するビジネスホテルが100〜130室すべてのユニットバスでの採用を決定しており、同社の主力商品として今後、いろんな分野への展開が期待できる製品だ。この開発には今年6月、県産業創造機構からの補助金交付も決まり、「さらに応用分野を広げた製品開発を目指している」ところである。
池邊社長は、「エマックスを実際に見た人はみんな驚きます。感触は当初とは全然違ってきており、これからです。ボイラーやコーゼネと違って、必要な所で必要な分だけしか電気を使わないエマックスのランニングコストの有利性は明らかで、工事配管の必要がないことも大きなメリットです。ここにきて素晴らしさが周知されてきており、今回の長崎と山口のホテルでの採用は大きな弾みになる」と、今後の飛躍に自信を深めている。 |
事業所プロフィール |
会社名 |
有限会社 日本建装工業 |
所在地 |
大分市三ケ田町3組 秦ビル2階 Tel 097-545-2554 |
代表者 |
池邊 和壽 |
資本金 |
1,000万円 |
従業員数 |
5名 |
事業内容 |
各種省エネ機器輸入販売、各種機械設備設計施工、科学技術工学英語・特許等専門英語の翻訳 |
創 業 |
平成6年7月 |
URL |
http://www.eemax.jp/ |
|
|