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ルネス工法による次世代型集合住宅の普及に取り組む |
「上下階の音が響く」「収納スペースが狭い」「結露によるカビやダニの発生が不快」−マンション等の居住者が訴える不満のベスト3だが、これらを一挙に解決する大分生まれの新発想の次世代型集合住宅工法が脚光を浴びている。大分市の『潟泣lス研究所』が開発した逆スラブ工法を基本とする“ルネス工法”がそれだ。その将来性には投資・コンサルティング会社も注目、2000年2月には潟xンチャー・リンク、椛蝠ェベンチャーキャピタル等が出資して「ルネス・インターナショナル」(本社・東京)を設立。同6月からルネス工法のFC事業が本格的にスタート、その普及に大きな弾みがつこうとしている。 |
●集合住宅の3課題を一挙に解決 |
潟泣lス研究所は、通称“大分方式”といわれるローコストマンションの建築工法を開発、全国に約3万戸の設計実績をもつ飯田建築設計事務所(大分市)の飯田郁夫所長が考案したルネス工法の研究・普及を目的に平成5年8月に発足した。
ルネス工法とは、従来のビル階層は上の階のコンクリート床を下向きの梁と垂直の束で支え、その梁と束を隠すように天井がはられ、天井裏空間がほとんど利用されていないが、これを逆向き(逆スラブ工法)にして、束の代わりに大手搬送システムメーカー・ダイフク(大阪)と共同開発した軽量ビーム鋼を平行に渡すことによって新たな床下空間を作り出すというもので、1階分の階高で居住空間と床下空間の2層活用が可能なことから“1階2層方式”と呼ばれる。床下の有効活用によって、新たに確保できるスペースは約25%も増加。生活騒音の大きな要因となる束をなくしたことで遮音効果も大きく、また環境面でも床下冷暖房システムや熱交換機を利用した空調システムを開発して結露によるカビやダニの発生を防ぐ快適環境を実現しており、上下階の生活騒音・収納スペース・快適な居住環境というマンション生活の3課題を一挙に解決した画期的な工法だ。
「高品質を追求しながら価格を抑えるため開発したのが大分方式として全国に広がったローコストマンションでしたが、購入者の声を聞きますと、上下階の音が響く、収納スペースが狭いという不満が圧倒的に多く、特にもう1部屋ほしいという願望が強かった。面積を広くすれば解決しますが、そうすると価格があがります。現有スペースをいかに有効利用して解決するかとなると、天井と床下の活用しかなく、梁構造を逆にしたらどうかという発想から始まったのがルネス工法です」
飯田社長はその開発動機をこう語るが、逆スラブ工法自体は以前からあった技術で、それはまさに“コロンブスの卵”ともいえる逆転の発想であった。
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●全国でFC事業を展開 |
ルネス工法は現在、台湾・韓国・中国を含め80件を超える特許を取得、あるいは出願中で、平成6年の日経BP技術賞(建築部門)をはじめ、平成9年電力10社による快適住宅コンテスト最優秀賞、平成11年住宅金融公庫南関東支店の最優秀賞(賃貸部門)を受賞するなど、その工法への技術的な評価はきわめて高い。 潟泣lス研究所は同工法を広く普及させるために実証・実験とモデルハウスを兼ねた現本社ビルを建設するとともに、平成6年から設計会社やゼネコンをメンバーとする会員制のルネス研究会を発足、その採用を働きかけ、これまでに全国で119棟、約3,000戸を完成しているが、今年に入って今後の普及に大きな弾みをつける動きをみせている。
大手経営コンサルタントの鞄本エル・シー・エー(京都市)グループの潟xンチャー・リンク(東京)及び大分銀行グループの投資育成会社、椛蝠ェベンチャーキャピタルが資本参加、その全国普及をめざす『潟泣lス・インターナショナル』(本社・東京、高津功社長、資本金5,000万円)を設立。6月からルネス工法による次世代型集合住宅のFC事業を本格的にスタートさせている。新会社はゼネコンや工務店を対象に全国各地でセミナーを開催、会員企業を募っており、その数は現在22社。「2001年3月末までには130社、2004年3月末までに350社とし、その段階での株式の店頭公開をめざす」(飯田社長)方針である。
飯田社長は、「配線や配管を壁内に埋め込まないルネス工法はメンテナンス等を含めたライフサイクルコストが安くなるというメリットもあり、建設省が力を入れている100年住宅にも対応可能です。また、これからの高齢化社会では床がそっくり移動するというルネス工法ならではの特徴は在宅介護システム等にも生きてきます。地方からの情報発信はなかなか大変ですが、強力なサポーターを得ることができ、こうしたメリットが必ず理解されると確信しています」と、今後の普及に確かな手応えを感じ取っている様子だ。大分生まれの新工法「ルネス工法」の第2の大分方式としての全国展開に期待が高まる。 |
事業所プロフィール |
会社名 |
株式会社 ルネス研究所 |
所在地 |
大分市高城新町14−16 Tel 097−551ー8084 |
代表者 |
飯田 郁夫 |
資本金 |
2億200万円 |
従業員数 |
7名 |
事業内容 |
建築設計監理(画期的な建築技術「ルネス工法」による新しい集合住宅づくりの 提案・設計・監理) |
創 業 |
平成5年8月 |
URL |
http://www.iida-si.com/ |
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