包装は今や生産と消費を結びつける流通の担い手として重要なウェイトを占めており、販売方法の変化や消費者のライフスタイルの変化、つまり対面販売の衰退に伴うパック包装化や個食化・バラエティ化による多品種小ロット化等を背景に、包装資材に対するニーズはますます多岐・多様化している。
しかも、「包装袋やトレイ・ラップ等の包装資材は個々には何銭という小さな商品ですが、生産現場や店頭で包装資材がなくなると製造や商品供給がストップしてしまいます」というように、絶対に欠品が許されない“重要部品”だ。このため緊急発注にも柔軟かつ迅速に対応できる受注−生産−物流の効率化が求められているが、同社はこの春から受注情報をリアルタイム化して受発注から入出庫・在庫管理、生産管理までを連動させた新システムを稼働、「顧客それぞれの実態に応じた対応を強化して顧客満足度をさらに高めていく」方針である。
同システムの特にユニークな点は、携帯電話iモードの活用だ。通常、受注データのリアルタイム化ではPOSが広く活用されているが、「商品アイテムが膨大なためPOS端末に入ら切らず、価格も顧客や取引形態によってマチマチのため担当者にしかわからないという複雑さがあり、受注した本人が現場で入力するのが一番ミスが出にくい」と、最もアクセスしやすいツールとして携帯電話を選択したものだ。
同システムは、本社サーバーのデータベースから担当者コードを入力、地域別・得意先別の商品を呼び出し、受注品目を現場で入力し、データをインターネット経由で本社に送る仕組み。これによってリアルタイム受注による在庫確認や発注手配の迅速化と、これに伴う@欠品防止・荷揃え迅速化による配送効率の向上、A適正在庫把握による在庫負担の軽減、B正確な納期管理による生産効率の向上、Cデータ管理の一元化による入力時間・ミスの軽減−等が期待されるとしており、その取り組みは今、新ツールを活用したビジネスモデルとして多方面の注目を集めている。