「デジタルアーカイブ」とは、自治体等の公共機関や企業が保有・蓄積している膨大な文書や歴史・文化的資料等の印刷物・写真などのアナログデータをCD−ROMやDVDにデジタル保存して“マルチ・ユース”に活用しようというもの。
そのデジタル化業務をビジネス化するのが狙いであり、今後の本格展開に向けて同社は2004年3月、「e−ドリーム(SACAS=サーカス)」と名付けたデジタルソリューション事業部を立ち上げた。
同事業部では、社内のすべてのデジタルコンテンツ系業務を集中管理するほか、増大する資料整理をめざす自治体や公文書館等のアーカイブ施設を主なターゲットに、同行営業などに取り組んでいる。
先頭に立って、このデジタルアーカイブ事業を推進している福田専務は、「印刷業というのは長年、ご用聞きみたいなイメージがあり、多様な分野の業務を行っているという認識がなかなかもらえません。このため敢えて事業部としたわけですが、今後は「e−ドリーム」及び「SACAS」の名前を前面に出しながらIT系業務に力を入れていることを訴え、従来の印刷業がもつ対外的なイメージを変えていきたい」としており、将来的には“デジタルアーカイブ・データベース”を構築して社内LANによる情報共有はもちろん、顧客間ともインターネットを介した制作状況の確認や納品まで行えるようにする考えである。
県下の印刷・出版関連事業所は約300社。印刷業界の経営環境が大きく変化する中で、デジタルアーカイブ事業を本格展開することでコンテンツ産業への進出をめざす同社の取り組みは、脱紙時代の印刷業のモデルケースとして注目される。