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大型車のベアリンググリスの入れ替えを超簡単にする画期的ツールを考案、全国販売へ |
トラック等大型車両の車検時に不可欠な車輪用ベアリンググリスの入れ替えは従来、整備担当者が手作業で何度も何度も繰り返して練り込むという方法で行われている。 このやり方は時間がかかる上に、グリスのムダも発生し、何よりも手が汚れるために特に若い整備士が嫌がるという難点があったが、これらを一挙に解決する画期的なツールを考案して開発、日本グリース(大阪市)を製造元とするベアリング・グリスbRカートリッジとセットにして全国販売に乗り出すための新会社が今年5月末に大分市に設立された。
大分市下郡の「蒲F久」がそれで、今後、全国各ブロックごとに販売代理店の整備を急ぎ、全国8万社の自動車整備工場への本格的な拡販をめざすことにしている。 |
●試行錯誤を重ねて考案 |
蒲F久」が総発売元となって、日本グリースが製造する「ベアリング・グリスbRカートリッジ」とセット販売するツールは『スーパーアタッチメント』(特許出願中)。自動車整備工場ならどこでも持っているグリスポンプの先端に取り付けて使用する長さ5cmほどのノズルで、ホーシンク等に取り付けたままでベアリングボールのすき間に差し込み、グリスポンプのバネで粘性の強いベアリンググリスを一気に押し込めるようにしたもの。ベアリングボールに接する部分は傷をつけないようにゴム製となっている。
大分市内のある整備工場関係者から困っていると聞いたことをキッカケに、「誰にでも簡単にでき、汚れない方法はないか」と試行錯誤を重ねて考案・開発したものだ。しかし、全国販売のための新会社設立にこぎ着けるまでには曲折があった。
「ベアリンググリスは固くて粘性が強いため、カートリッジへの充填が難しく、シャシーグリスのようにグリスポンプで使用するためのカートリッジタイプのものがなかった」ことが最大の課題だった。このため、まず充填工場探しからスタートしたものの、「当初は打診した先すべてに断られ、一度は諦めかけたが、やっとのことで1社を探し出して了解を取り付けることかできた」という。 |
●九州から順次、全国へ |
次は、その用途によって形式認定を受ける必要があるグリスだった。「独自にカートリッジ化することはまず無理」なことから、これは業界大手の日本グリースに製造元を依頼。蒲F久専用のbRカートリッジを新たに開発してもらい、総販売元としてカートリッジ1ケース(400g、20本入り)にスーパーアタッチメントを1個付けて販売する態勢を整えた(末端販売価格は7,500円を予定)。
同社では、全国を8〜10ブロックに分けて販売代理店を整備する計画だが、九州地区はすでに自動車整備工具卸の潟Tンキューケン(大分市西新地1−5、097-555-9889)が総代理店となることが決まっており、「まずは大分県内から九州地区を固めて、順次、全国各ブロックの代理店整備を急ぐ」考えだ。
現在、国内の自動車登録台数約7,700万台のうちトラックは1割弱の740万台。「大型車と特殊車だけで200万台あるといわれ、毎年の車検(新規登録車は2年)時には必ずベアリンググリスを入れ替えることを考えると膨大な需要が見込める。大手ディーラー等ではノズルが3〜4本ついた専用工具を持っているが、エアーを送るコンプレッサーや大きなグリスタンクの持ち運びが大変で面倒なため、手作業で練り込んでいるケースが多く、このスーパーアタッチメントを一度使用すれば必ず継続使用してもらえる」と、本格販売に向けた意欲と自信をみせる蒲F久。
今後、インターネットによる情報発信にも力を入れながら全国8万社といわれる自動車整備業にアプローチしていくことにしており、“大化け”の可能性を秘めた注目企業だ。 |
事業所プロフィール |
会社名 |
株式会社 友 久(ゆうきゅう) |
所在地 |
大分市下郡1169の1番地 Tel 097(569)0802 |
代表者 |
梶原イツ子 |
資本金 |
300万円 |
従業員数 |
3名 |
事業内容 |
ベアリング用グリースカートリッジbRの卸販売 |
創 業 |
平成18年5月 |
URL |
http://wellifeoita.fc2web.com/ |
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