2003年6月にオープンした個室貸タイプのトランクルーム「蔵ぞう」は、“いつでもお客さまと一緒に”をモットーとする同社らしい顧客サービスの一環だ。
佐藤辰夫・営業部部長によると、倉庫業のトランクルーム・サービスは全国的には10年ほど前から始まったそうで、当時、「大分よりも小さい都市で成功していましたので当社でも検討しましたが、まだ市場性が弱いと判断し見送った経緯があります」というように、「蔵ぞう」の開設は顧客サービスの充実と市場性の高まりがその動機となっている。
“あなたのたいせつな荷物あずかります”をキャッチフレーズとする「蔵ぞう」は、大分市新川2丁目の低温倉庫3階の一般倉庫部分のうち120坪を活用、0.5坪〜2.2坪までの8種88室が整備されている。料金は1ヶ月3,750円(取扱料1,500円)〜16,500円(同6,600円)で、このほか保証預り金(契約終了時に全額返還)として7,500円〜33,000円が必要だそうだ。
佐藤部長によると、「オープンからまだ8ヶ月ですが、収納スペースが限られるマンション生活者の方には特に好評で、家具・家財道具を中心に夏期・冬季の入れ替え、住宅建替時の一時預かりなどで喜ばれています」と、口コミ等による知名度の高まりとともに契約件数を拡大しつつある。これには、国土交通省認定の優良トランクルームとして、二重ロックと警備保障で大切な荷物を守るセキュリティ面も追い風となっているようだ。
このため、同社では今後、現在は利用者の約3分の1にとどまっている企業や官公庁の保管文書や医療機関カルテ等への顧客拡大が期待できるとみており、早くも「現在の蔵ぞうが満室になったら新たなスペースを検討したい」と設備増強に前向きで、「将来的には500室程度に持って行き、毛皮等の保管が可能な定温・定湿タイプの部屋を整備したい」と、トランクルーム事業を大きな柱として育てたい方針だ。