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電源技術をコアにしたユニークな製品開発で全国、世界市場をめざす |
今やビジネスマンの必携ツールともいえるノートパソコン。しかし、高性能パソコンほど出力電圧が高く、バッテリーがすぐに切れてしまう。このためACアダプタの携帯が不可欠だが、付属アダプタは大きくて嵩張るのが難点なことから持ち運び用のACアダプタを別途購入する人も少なくない。
こうした2つめ需要をターゲットに、「美しさ」「機能」「性能」にこだわったACアダプタと、ACアダプタとのコンビネーションで威力を発揮する便利なマルチタップコンセントを開発・販売しているのが、大分市の電源メーカー『潟ーンズ』だ。 |
●Uターンして創業 |
「潟ーンズ」は、日本TIやソニーで回路設計・デザイン業務を行っていた工藤一彦社長が出身地の大分市にUターンして平成16年9月に創業した電源メーカー。ロケットや人工衛星用電源ユニット、民生機器用高効率小型電源IC等の開発経験を活かして、“周辺機能のパフォーマンスを発揮させるための電源技術”をコアにしたユニークな製品を企画・開発している。
代表的な“自社製品”がノートPC用のACアダプタ『MOONS ACアダプタ』及びマルチタップコンセント『メネガレット』。
4種のDCジャックが付属し、ほとんどのノートPCに対応した『MOONS ACアダプタ』は、DCコードをサイドに収納できるようにした細長い形状(H30×D52×H180mm)で、75Wのハイパワーながら無音化しているのが特徴。また、『メネガレット』はメガネプラグと呼ばれるコンセントとACアダプタをつなぐマルチタップコンセント。ACアダプタへの接続用プラグのほか他のノートPC、家電製品等のプラグにつなぐことができる2口のコンセントをもち、例えばホテルや旅館等出張先・旅先でコンセントが1つしかない場合や会議中にコンセントが足りない場合にも、携帯電話やデジカメの充電、隣席への給電を可能にする便利なツール。 |
●電源技術への強いこだわり |
ACアダプタはノートパソコンに付属しており、需要はある程度限定される中で敢えて『MOONS ACアダプタ』を開発したのは、「設計と実際の電気仕様が違うケースが結構ありましてね。持ち運ぶのに便利で使い勝手の良い高性能のACアダプタを作りたかった」という工藤社長の電源技術に対する強いこだわりによるものだ。『メネガレット』もその延長線上にあり、小さなケース内に収めるためにコンセントの板金金具、メガネプラグ部分の金具とも新たな金型を起こして複雑かつ高精度を実現、「メガネプラグからコンセント口を拡張できる初めての製品」の開発につなげた。
『メネガレット』は今、ノートPCユーザー必携のツールとして注目を集め、パソコン周辺機器卸商社を通してソフマップ、ビッグカメラ等の量販店・専門店で販売を開始したほか、4月末からはソフトバンクを通してベスト電器等での販売も決定するなど、全国に販路を広げているところで、同社では「月2万個の販売をめざすとともに、世界5カ国(日本、米国、中国、韓国、台湾)の意匠登録を済ませており、将来的には世界市場を見据えた主力商品に育てる」考えだ。
また、同社は電球の寿命を大幅に延ばす自動パワーコントロール付き白熱電球用ソケット(特許出願中)を立命館アジア太平洋大学と共同開発。今後、電圧が不安定で電球寿命が短いアジア各地での本格販売に向けた事業化に着手するとともに、電圧上昇に伴う無駄な電力カットによるCO2削減効果に着目、その排出権ビジネス(CDM)のビジネスモデルを策定して関係機関に提案、その実用化をめざしている。電源技術で全国、世界市場をめざす同社の今後が注目される。 |
事業所プロフィール |
会社名 |
株式会社 ムーンズ |
所在地 |
大分市大道町4丁目3番45号 Tel097−573−6111 |
代表者 |
工藤 一彦 |
資本金 |
2,000万円 |
従業員数 |
7名 |
事業内容 |
電源(ACアダプタ、プラグ、オンボード 電源、3相交流発生装置等)の企画・開発・ 設計・製造・販売及び評価 |
創 業 |
平成16年9月 |
URL |
http://www.moons-power.com/ |
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